この胸いっぱいの好きを、永遠に忘れないから。
雨続きの毎日じゃ、学校の冷房もちょっと寒さを感じる時もある。
センパイの座るイスの背もたれにかかった、薄手のブルーのカーディガンを手に取ると、寝ているセンパイにそっとかけた。
「ん……」
センパイが起き上がった。
「あ……ごめんなさい。
起こしちゃった……」
「ん……ヒサ……?」
センパイは頭を抱えると、周りを見回した。
「……ここは……」
「え?」
「どこ……だっけ?」
「センパイ?
どうしたの?図書室だよ」
「……あぁ、そうか……なんだか寝ぼけてたみたいだ」
「もー驚かさないでー。
センパイ疲れてるんじゃない?
受験勉強に生徒会のことに……」
私はセンパイの顔を覗き込んだ。
「……そうだな……。
秋の学園祭、何をやるかいい案が無くてな……」
そう言いながらため息をつくと、ペットボトルの烏龍茶を一気に飲んだ。
「あー駄目だな。
頭がボーッとする」
「センパイ大丈夫!?
夜、眠れてる?」
「んーそういえば、最近寝不足だな……」
「……」
センパイ……。