私に恋してくれますか?
兄の如月と1月に妻になったばかりの楓さんが、
リビングのソファーで仲よさそうに笑いあっている。
妊娠している楓さんは、少しおなかが目立ってきているかな?

私の顔を見つけると嬉しそうに立ち上がり、
「雛子ちゃん、元気だった?お久しぶり。」と笑いかけてくれる。

「楓さんも、順調そうですね。おなか触って良いですか?」と聞くと、

「雛子は触っていいけど、おまえらは遠慮しろ。ワガママな菌が移りそうだ。」
と後ろにいるふたりに笑いかける。

我儘なのはお兄様も一緒なのでは?と私は心の中でちょっと思う。

「はいはい。楓さんに触られたくないって、気持ちは充分にわかってます。」
と足立先生が笑って、兄と握手して、
トオルくんが
「お久しぶりです。如月さん。3年振りですね。」

「ああ、トオルが日本に戻って、stormに入社した頃、パーティーでスグルに紹介されたな。
今は、雑貨屋になってるんだってな。」

と兄が少し顔をしかめてみせる。

「まあ、兄が何を話したか、知らないけど、僕は雛子さんとキチンと付き合ってます。」
とトオルくんは、真面目な顔をした。

母が
「如月、その話は今は良いの。
食事にしましょう。」とみんなに笑いかけて、
食堂に続くドアを開けた。
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