私に恋してくれますか?
今日はカジュアルな無国籍な料理みたいだ。
兄の好きな牛肉の煮込み料理や、
私が好きな蒸した海老のシンプルなレモンソースなんかが出されている。
ご飯はタイ米のエスニックなもの。
あまり、テーブルマナーを気にせず、
お箸を使ったり、スプーンとフォークを使ったりそれぞれ自由に食べられる。
お互いに取り皿に取り合ったりして
話も自由にできた。

母が楽しそうに楓さんに話しかけたり、私の仕事の話を聞いたりし、
兄が足立先生やトオルくんと最近見た映画の話をしたりしている。

和やかに食事は済んで、みんなでリビングルームに移る。


ソファーに座ってコーヒーや、紅茶が配られ、くつろぐ。
私が隣に座ったトオルくんの顔を覗くと、

「やっぱり、ピーコの家はあったかいな。
昔、テラスでおやつを出してもらった時も、
そう思ったけど…」と微笑む。

「うちの両親はあまり仲が良くなくて、
俺たち兄弟はピーコのうちが羨ましかった。」とそっと言って私に微笑みかける。


「私が心臓にの手術をする前は体が弱かったから、
いつも心配させていたかな。
今でも過保護なのは、その名残なんだって思うけど…」と私が言うと、

「お父様は雛子がいつまでたっても、子どものままだって思いたいんでしょう。
あなたがお父様に反抗することもなく、この家で暮らしてきたから…
でも、もう、大人ね。
あなたにも日野家の一員として、地域や社会に貢献できるように
ならなければいけない年齢ね。」と母は私に微笑みかけた。







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