私に恋してくれますか？

翌日、昼休みの屋上で
「普通の生活。ってどういうことだろう。」と私が溜息をつくと、
「えー？起きて、朝ごはんを食べて、仕事に来て、終わったら、
夕飯を作るか、外食するかしてして帰って、テレビを見たり、洗濯したりして、寝る。？」とあかねちゃんが私の顔を見る。
「仕事以外はご飯と、洗濯かな？」と言うと、
「どうしたんですか？」と聞くので、
「父にお見合いのしたくないって言ったら、
『ヒナコには普通の生活は無理だ』って言われちゃったの。」と言うと、
「でたー。お嬢様育ち。料理も、洗濯も出来ない？
あれ？このお弁当は？」と聞くので、
「お弁当はお手伝いさんと朝、一緒に作るの。
ケーキも焼けるよ。下着は自分で、下着用の洗濯機で洗うし…。」と言うけど、チッチッチと指を振って、
「後かたずけをしながら料理を作らないとダメだし、
洗濯だって、なんでも一緒に洗えばいいってものじゃないんですよ。」と言って、
「あと、お金の管理ってどうしてますか？
ヒナコさんって、買い物行ったりします？
値段とか見て買ってるのかなあ？
ヒナコさんが着てる服って、派手じゃないけど、かなり、良いものだけど…」と私の顔を見る。

「…お金は…家族カードで買い物してるかも…お給料っていくらか知らないし…
服は外商さんが家に来た時に…」と言うと、
「うへえ。そりゃあ、普通の生活は無理だ。
お父さんの勧める人と、お見合いした方が良いかも…。」と呆れた声を出した。

私は恥ずかしくなって下を向く。

21歳のあかねちゃんが出来てることを私は何にも出来てないんだ。

普通って私にはすごく難しい。