私に恋してくれますか?
次の日の月曜日から、私はルピナスの事務員に戻り、
週に2日、駅に近い観光案内所で主に外国人観光客の相談に乗ることになった。

ルピナスに戻ると、
他の店舗に研修に出ていた。ってことになっていて、
そんなに目立たない私はすんなりと周囲に受け入れられたみたいだ。

ただ、茜ちゃんには
「お見合い前にいなくなったから、家出だって思いましたよ〜。」
とバレてしまい、この4ヶ月くらいで恋人ができたって、
その人と暮らしていたって、話すことになってしまった。

「えー、連れ出してくれた王子と恋に落ちるなんて、
おとぎ話みたいじゃないですか!?
すごいですねー!」と羨ましがられたけど、
私があんまり浮かれていないので、

「家に連れ戻されたら上手くいかなくなっちゃったんですか?」と顔を覗かれ、

「一緒に暮らしていた時とは違う。…でも、好きなの。」と涙が落ちた。

「大丈夫ですよ。きっと…。」と茜ちゃんは私の頭を撫でた。

「私もそう思う。」と涙を拭き、顔を上げて笑うと、茜ちゃんもホッとした顔を見せた。

「25歳で、ハツカレって困りますねえ。
初めてのお付き合いってなにかと心配ですし…
私まで昔を思い出して、甘酸っぱい気持ちになっちゃいますよ。」と茜ちゃんは私のお弁当に入っていた唐揚げを食べて

「あ、雛子さんまた料理の腕を上げましたね。」とニッコリした。



私は根拠のない大丈夫。と言う茜ちゃんの言葉がとても嬉しいくらい

不安になっているのかもしれない。



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