私に恋してくれますか?
トオルくんは玄関のドアを閉めると、私のマスクを外して激しくくちづけてくる。
私は体から力が抜けていき、
トオルくんの首に腕を回し、激しいくちずけに応えた。

トオルくんは満足そうに微笑み、
「ピーコ、俺が好き?」とひたいにキスをする。
私が頷くと、抱き上げてベットに運んだ。

トオルくんは私の服に手をかける。
シャワーを浴びる猶予は与えてもらえないみたいだ。
私を下着姿にして、何度もくちづけしながら自分も服を脱ぎ出した。
私は目を閉じトオルくんが覆いかぶさってくるのを待つ。

何度身体を重ねてもドキドキして、苦しいくらいだ。

「ピーコ。これなに?」トオルくんの静かな声がする。

私が目を開くと、頭の上のスタンドがつけられた。
眩しい。
どうしたの?

私の目の前に男物の時計が突き出される。

「これってヤブ医者の時計だよね。なんでこんなとこにあるの?!」

私は驚いて口が開く。

「ち、違う…トオルくん。」私が慌てて起き上がると、

「そういうことか…。
まだ、実家で会ってるって言ってたもんな。」と服を着ている。

「違う!実家で食事をした帰りに具合が悪くなって、部屋に送ってもらったの!
…なにもないよ。私が好きなのはトオルくんだって何度もいってるでしょう!」

私はトオルくんを引き止めようと、下着姿のままトオルくんの腕をぎゅっと掴む。

「離せよ。ピーコ。
俺以外の男は誰も部屋に入れないって言ってたよな。
それも嘘か?
アイツの他にも男がいてもおかしくないよな。
いつまでたっても、部屋の鍵もくれないし、
おかしいって思ってたんだ…」と顔を歪めて、私を睨んだ。

「そんなわけないでしょう。
話を聞いてよ。」私は涙が溢れ出す。

「俺はピーコにあってから、ずっとピーコだけを愛してる。」
そう言って、トオルくんは部屋を出て行った。

話を聞いてよ。
私だって、トオルくんだけを愛してるのに…
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