私に恋してくれますか?
手を繋いだままトオルくんと暮らした家の前に立つ。

「懐かしいな。ピーコ。
この家は処分する事にした。
俺たちは新しいの家で、新しい生活を始めよう。」
と鍵を開けてドアを開けた。

事務所の中は片付けられていたけど、

ダークブラウンを基調にしたフォルムが美しい家具が
いくつも置かれていた。

「俺たちの住む家に置く家具だよ。フォルムが綺麗で使い心地のいいものを選んだ。
ピーコが気にいると良いんだけど…。」とトオルくんが私の瞳を覗く。

「すごく素敵。
ソファーも椅子も座り心地がいいし、
飾り棚も他の家具もアンティーク調ですごく綺麗ね。」
とひとつひとつ家具に触れたり、座り心地を確かめながら歩く。


「ベッドルームの家具はこれから選ぶんだけど、オフホワイトの革張りの家具を入れると
いいかなって思ってるんだけど…。」と言うので、

「トオルくんの選んでくれる家具が好きです。」

「気に入ってくれて良かった。」とトオルくんはニッコリしながら、鍵を掴み、


「このお守り。新しいの貰いに行かない?2年ぶりだし、俺のお守りボロボロだ。」と笑う。

また、これからのお互いの事を祈ることができる。

私はとても嬉しくて、トオルくんの腕を掴んだ。

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