私に恋してくれますか?
翌朝。

昨日、家に帰ってから、トオル君をベットに寝かせると、すぐに寝息を立てた。
結構酔ってたのね。
店の中ではそう酔っているように思えなかったけど、
歩いたら、酔いが回ったのかな。

私があまり眠れずに、朝食の準備をしていると、
「おはよー。昨日は酔ったなー。」と言いながら、
浴室に向かっていく。

私が固い声で、
「おはようございます。」と言うと、

トオル君は振り返り、
「あれ?ピーコ、俺ってピーコになんかした?」と立ち止まる。

覚えてないんだ…。と唖然として、

「…抱きしめられただけです。」と不機嫌な声を出すと、

「あっそう。良かったー。大したことなくって。」と後ろを向くので、

「た、大したことないって訳じゃあ…」と言うと、

トオル君はちょっと笑って、
「俺って酔うとフレンドリーになるみたい。
一緒に飲んでた女の子とキスしたり、左近とキスしたこともあるかも…。
まあ、大丈夫だよ。
ピーコの事はたぶん襲わないから。
…抱きしめても妊娠したりしないし…。」
と頭をボリボリ掻きながらバスルームに消えて行った。

いや、
大丈夫じゃないし!
すごく心臓がバクバクいって苦しかったし!

トオル君…
酔っ払うと、他の女の子とはキスするの?
それ以外も?!

いや、考えないようにしよう。
トオル君と私は違いすぎる。
トオル君はチャラ過ぎだ!
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