私に恋してくれますか?
沙織さんも後からやって来て、初対面のミクちゃんと挨拶し合っている。
「私はクリスマスパーティに誘われたから来ただけで、
桜井さんの彼女と言うわけじゃないいんですけど〜。」
とミクちゃんは明るく挨拶して桜井さんを驚かせる。

「み、ミクちゃん、こないだ俺んち泊まったよね?!」
「えー?1回寝たからって彼女ってわけじゃないでしょ。
別に告白されたわけじゃないし…」とミクちゃんは唇を尖らせる。

「桜井、今、ここで告白しろ。」トオル君が笑う。
「…五十嵐さんなら、寝てなくてもすぐにオーケーなんだけど…」
とミクちゃんが上目遣いでトオル君を見る。

「あのなあ、桜井を煽るのに俺を使うのはよせ。」とトオル君は呆れた声を出す。

「なあんだ。わかっちゃった?
五十嵐さんってモテそうだから本気にしないでしょ。
桜井さんって私が好きそうなのによそよそしいんだもん。
私が7歳下だから子供扱いだし、…」と桜井さんの瞳を覗く。

「俺は、…俺は好きでもないこを部屋に誘ったりしない。」と桜井さんが顔を赤くする。

「もう、一声。」と左近さんが笑った声を出す。

「…ミクちゃん、付き合ってください。」と桜井さんは頭を下げて右手を出した。

「よし!五十嵐さんはやめて、桜井さんにする。」とミクちゃんはガッツポーズを決め
満面の笑みで桜井さんの手を握った。


やれやれ。
私は小さく息を吐く。

トオル君は
「俺って巻き添えで振られてない?」と私の顔を覗き込む。
「そういう事になるでしょうか?
でも、桜井さんに嫌われずにすみましたね。」と笑うと、
「ピーコも安心したでしょ。俺がモテなくて。」
とクスクス笑って私の頭を撫でてから、桜井さんにシャンパンを注ぎに行った。

安心?
私は別に本当の恋人って訳じゃあ無いし。

でも、ちょっとホッとした自分がいたかな。
なんでだろう

最近私は自分の気持ちがよくわからない。

と少し溜息がでた。



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