私に恋してくれますか?
大学病院で検査を受け、最上階にあるカフェでコーヒーとケーキを頼む。
あまり食欲はない。
ぼんやり窓の外を見上げる。
みぞれ混じりの雨が降り出した。
久しぶりに手に取った文庫本に夢中になっている間に
時間が過ぎて予約時間が近づいたので
カフェを後にして循環器の外来の前に座る。
しばらくして番号を呼ばれ診察室に入ると、
いつもの教授の横に30台半ばの男性医師がいた。
「初めまして。今後担当医になる足立 広海(あだち ひろみ)です。」と微笑んだ。
「よろしくお願いします。」と私が頭を下げてから見上げると、にこりと笑った。
大きながっしりした男性だ。
目鼻立ちがくっきりしていて、くっきり二重に意思が強そうな瞳。
「日野さん、僕は他に移ることになってね。」と教授は笑い、
「この足立君は優秀なんだよ。
心臓外科医で、あまり外来には出ないんだけど、
お父さんにも君のことは頼まれているからね。
まあ、無理を言って引き受けさせておいた。」とニッコリした。
「父が無理を言ってすみません。
あの、足立先生がお忙しいなら、
他のいつも外来に出ている内科の先生にお願いしていただけませんか?」と私が慌てて言うと、
「僕がお気に召さない?」と足立先生が薄く笑う。
「ま、まさか、お忙しい先生の手を煩わせるのはご迷惑だと…。」赤くなって言うと、
「冗談です。」と足立先生は思いがけず、くすっと笑って、
「後で、心臓外科にも回ってくださいね。待ってますから。
では、教授失礼します。」とにこやかに言って診察室を出て言った。
「は、はい。心臓外科ですね。」と唖然と見送る。
「うーん。次から診察をお願いしたのにねえ。
気の早い男だ。釘を刺して置かなくっちゃね。
お父さんに怒られそうだ。
なんだか気に入られちゃったみたいだよ。雛子ちゃん。」と教授は昔からの呼び方で私の瞳を覗く。
なんで?
気に入られるって何?
あまり食欲はない。
ぼんやり窓の外を見上げる。
みぞれ混じりの雨が降り出した。
久しぶりに手に取った文庫本に夢中になっている間に
時間が過ぎて予約時間が近づいたので
カフェを後にして循環器の外来の前に座る。
しばらくして番号を呼ばれ診察室に入ると、
いつもの教授の横に30台半ばの男性医師がいた。
「初めまして。今後担当医になる足立 広海(あだち ひろみ)です。」と微笑んだ。
「よろしくお願いします。」と私が頭を下げてから見上げると、にこりと笑った。
大きながっしりした男性だ。
目鼻立ちがくっきりしていて、くっきり二重に意思が強そうな瞳。
「日野さん、僕は他に移ることになってね。」と教授は笑い、
「この足立君は優秀なんだよ。
心臓外科医で、あまり外来には出ないんだけど、
お父さんにも君のことは頼まれているからね。
まあ、無理を言って引き受けさせておいた。」とニッコリした。
「父が無理を言ってすみません。
あの、足立先生がお忙しいなら、
他のいつも外来に出ている内科の先生にお願いしていただけませんか?」と私が慌てて言うと、
「僕がお気に召さない?」と足立先生が薄く笑う。
「ま、まさか、お忙しい先生の手を煩わせるのはご迷惑だと…。」赤くなって言うと、
「冗談です。」と足立先生は思いがけず、くすっと笑って、
「後で、心臓外科にも回ってくださいね。待ってますから。
では、教授失礼します。」とにこやかに言って診察室を出て言った。
「は、はい。心臓外科ですね。」と唖然と見送る。
「うーん。次から診察をお願いしたのにねえ。
気の早い男だ。釘を刺して置かなくっちゃね。
お父さんに怒られそうだ。
なんだか気に入られちゃったみたいだよ。雛子ちゃん。」と教授は昔からの呼び方で私の瞳を覗く。
なんで?
気に入られるって何?