もう二度と昇らない太陽を探す向日葵

「あ、志之。良いところに」

「え?」

「2組に転校生、来たんだよね」

「あ、ああ。陽本君か」

 そう言った志之が、ちらりと教室の中にいる本人へと目を向けた。

「どんな子?」

 私がそう聞くと、志之はうーんと唸るようにして悩み始めた。しかし、すぐに悩むことをやめて口を開いた。

「って、おいおいおいおい。お前、まだ転校初日だぞ? 陽本君、大人しそうだし、俺とタイプ反対そうだし、まだ喋ったこともないんだから分かるわけないだろ」

「あはは、そうだよね。ごめんごめん」

 そりゃあ、そうだ。まだ転校初日なのだから、志之が彼について分からないのは当たり前だ。

 それに、人の事を、見た目や雰囲気、評判などで評価しない志之だから、勝手な憶測でものは言えないのだろう、と私は一人納得していた。

「陽本君に用とか?」

「あ、うん。ちょっと。呼んでもらってもいい?」

「おっけ。任せろ」

 購買でパンを買い、これからそれを食べるのであろう志之には申し訳なかったけれど、私は志之へ、窓際の席で外を見つめている彼のことを呼び出してもらった。

 快く私の頼みを承諾してくれた志之は、パンを両手に抱えたままで教室の奥へと入っていき、私が呼び出して欲しいと頼んだ彼へと話しかけた。

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