涙雲
「おねーちゃん!!なんてことしてくれんのさっ!!」
くるりとこちらをむく少年は
どっちかっていうと可愛い顔してる。
その顔が今は眉をつりあげて怒ってる。

「ご、ごめん。どうしたの?」

「これ見てよ!!」


つき出されたものは、可哀想なくらい大きな穴が空いた傘だった。

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