乙女野獣と毒舌天使(おまけ完結)
 路地でうさぎのぬいぐるみとぶつかったこと。

 自分の素を初めから晒すことが出来たこと。

 初めて恋して自分の初めてをささげたこと。

 好きな人と離れ離れになってしまうことが、どんなに辛いことなのかということ。

 そして、人を愛すること。

 雅輝の横顔を見ながら考えていると、ふいに、顔を見られ微笑まれた。

「これから、杏樹と産まれてくる二人と四人で、必ず幸せになります。」

 そう締めくくり、杏樹と雅輝の披露パーティーは幕を閉じた。

******

 杏樹と雅輝は、白愁先生が準備してくれた海辺のホテルのスイートルームにいた。

「凄くいい日だったな、杏樹。」

「うん、絵梨となずなちゃんには質問責めにあったけどね。サプライズプロポーズ、良かった。」

「俺としては杏樹の綺麗な姿をみれたのが一番良かった」

 ベットの縁に二人で腰をおろし、寄り添いながら今日のことを話す。雅輝は大分酔ってるのか、片手で頭を撫で、もう片手は太股から足の付け根あたりを往復させながら撫でる。

「ま、雅輝さん…。手、手を。」

 杏樹が太股辺りを撫でる手を静止しようとするが、意地悪く笑い"触ると安心する"とやめるようすは見られず、暫くその状態が続くと、杏樹の体が火照ってくる。

「ちょっと…。」

「んっ?疲れたし、今日は早く眠ろうか。」

「えっ!!」

 あっさりとベットの布団にもぐり、手招きされる。

 杏樹は吸い寄せられるように雅輝の腕に抱き締められ、お互いがお互いを見る形で、ベットの中で抱き合う。

 お互いに微笑みあい、お互いが求め会うようにキスをする。

 チュッと軽いものから次第に濃厚なものに変わると、雅輝がパッと離れる。

「これ以上すると、抱きたくなる。」

 杏樹に対して申し訳ない顔を向ける。杏樹はやめて欲しくなくて、耳元でそっと呟いた。

「う~んと、優しく抱いてくれる?」

 雅輝はそれに答えるように、優しく杏樹に触れてきた。

 二人の甘くて、優しく、幸せな時間は永遠に続く。

 二人のこどもと出会いをくれたうさぎのぬいぐるみに見守られながら。
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