乙女野獣と毒舌天使(おまけ完結)
「俺が温かいのがいいから、温かいのにした!まだ、湯がけば、麺あるから!」

 そういいながら雅輝は、自分の麺を湯切りし自分のお碗にいれ、杏樹の前に腰をおろす。

 それを確認して、二人で手を合わせて、頂きますと呟き食べる。それが、二人の日常になっていた。

「う~ん!!美味しい~!!雅輝さん、お蕎麦もうてるんですね~!!」

「杏樹は、美味しそうに食べるな。作り甲斐があるよ。」

「何杯でも食べれそう!」

「その体のどこに入るんだろうな?ホント、痩せの大食いだよ。」

「あははっ。雅輝さんの前だからですよ!それに、痩せてはいませんし。」

 二人の会話はこの後も続く。

 二人で食事のあとは、どちらかがお風呂に入り、二人が上がるとリビングで、お酒を飲みながら雅輝のぬいぐるみの話をしたり、杏樹の何気ない話をして、0時になればそれぞれの部屋に戻る。

 そんな二人の関係を言うならばなんだろう。

 同居人にしては距離が近すぎる。

 でも、同棲じゃない。

 心地よい関係だけど、恋人ではない。

 でも、他人とは思えない。

 こんな関係、あえて言うのなら

 ー友達以上恋人未満ー



 二人がお互いに思う、居心地の良さは、恋人に求める安心感や友達に求める信頼感のようなもの。

 だから、二人はこの関係が継続すればいいと心のどこかで、求めていた。


 でも、残り時間は刻一刻と近づいている。

 有休が終わるまでがタイムリミット。
< 21 / 116 >

この作品をシェア

pagetop