乙女野獣と毒舌天使(おまけ完結)
「君が立花杏樹さんですね。社長の連条です。」

 社長室の中に入った杏樹は、社長にソファーに座るように促しながら挨拶をしてきた。杏樹はあわてて、座る前に挨拶をする。

「立花です。…失礼します。」

 そう言いながらソファーに腰を掛け、目の前のソファーに座る社長と、その後ろに立つ雅輝と悠一を見る。

 二人はイタズラが成功したように笑いあっている。

「履歴書いいかな?」

 社長に言われてあわてて出す。

「立花杏樹。26歳。父親がフランス人・母親が日本人。高校までフランスで、大学が国立美大デザイン科卒。卒業後リアンに就職。先日退社。免許、資格取得…これはまた、たくさん資格を持ってるね。」

 社長は履歴書を読みながら、ほーとかふーんとか頷いている。

 杏樹は、在学中に資格をたくさん取得していた。秘書検定1級、インテリアコーディネーター等。それに、華道・茶道・書道・箏や三味線など、わびさびに関しての資格は師範級だ。

「取れる資格は必要、不必要関係なく取りました。あとは、フランス生活が長かったもので、わびさびと言うか和の心に憧れてっと言うのがあります。」

「そうだね、何がどう未来に繋がるなんてわからないからね。…あと、これ重要なんだけど…二つほど質問があるんだが。」

「はい。」

「恋人は?」

「……。」

 その質問、杏樹と雅輝と悠一は、目を見開いた。

「えっと、おりません。」

「恋人に求める条件は?」

「感性でしょうか。生き方も育ち方も違うわけですで、例えば同じ花を見て感動したり、逆に違う見方をして刺激しあったり、そんな関係を望みたいです。」

 こんなちょっと間違えれば、セクラハになりそうな質問にも杏樹は笑顔で答えていたが、雅輝の顔が何故か赤いことに気がつき、思わず雅輝を見てしまう。

 目線を逸らされるが、気にせずに社長に目線を戻した杏樹に、雅輝は軽くため息をつき、あぶなかったと独り言を言ってしまう。

 社長と悠一が気がついてないともしらず。
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