乙女野獣と毒舌天使(おまけ完結)
「あなたはご存知ないかもしれませんが、私は就任の時に、皆さんに伝えていることがあります。」
「何をでしょうか…。」
スッと前に出て話し出したのは悠一だ。
「就任の条件を3つ。1、メディアの露出は一切しない。2、ウェディング企画室のメンバー選出は雅輝に一任。3、結城財閥との縁談は絶対にしない。この3つだ。」
あやめの拳に力が入る。顔も険しくなり、目線は周りをさ迷う。そして、杏樹をとらえる。杏樹は怯えることもなく、ただあやめを見ているが、それがさらにあやめをイラつかせる。
その様子を見ながら、悠一はさらに続ける。
「以前、雅輝に対して、この会社や連条の名前に相応しいのは私だと仰ったと聞きましたが、あなたは連条の名前じゃない雅輝に興味はあるんですか?」
「私は、連条さんが欲しいんです。」
「あなたが一人の人間として雅輝を好きならここまで言わない。でも、あなたは連条家の息子が欲しいだけ。そうですよね?」
悠一に強く言われ、あやめは黙ってしまう。おそらく、悠一が言っていることが本当なんだろう。何か言おうと考えている姿が見えるが、次の言葉が出てこない。
「私が就任の時に、話したことは社員全員が知ってることです。もし、雑誌が出れば、嫌な思いをするのは結城さんではないですか?」
雅輝が口を開く。さっきほどの冷たい感じはないが、あやめには十分威圧的に聴こえ、ブルッと震え、唇を噛み締めているのが分かる。
「雑誌は差し押さえておきます。でも、今回だけです。いくら連条さんが私を好きじゃなくても、世間はそれを認めない。あなたはそれだけ注目を浴びる人になるんです。だから、あなたには私を選ぶしか道がない。……そのうち、嫌でも分かりますよ。」
雑誌と鞄を手に取り、挨拶も儘ならない様子で企画室を出ていった。
あやめが出ていった扉を見ながら、みんな、安堵のため息をつく。
「もう本当にやだ!悠ちゃん、塩、塩まかなきゃ!」
なずながプリプリしながら塩を撒く仕草をする。
「はぁ~女は恐いわ…。」
ゆずるがおどける仕草を見せ、それにみんながクスクスと笑う姿が見られた。
「早いですが、みなさん休憩にしましょう。七瀬さんも五嶋さんも良かったら。」
杏樹が笑顔でお茶を準備しようとすると、雅輝がふいに手首を掴んだ。"えっ?"杏樹がきょとんと振り替える。
「嫌な思いさせたよな。ごめん。」
「大丈夫!!私、雅輝さん、あっボスのことしか信用してませんから。」
二人が見つめあい、甘い雰囲気を漂わせると、みんなの視線を感じ、雅輝がは慌てて咳払いをし、杏樹はお茶を準備するため、小走りで部屋の隅にある給湯室に走り込んだのだ。
「何をでしょうか…。」
スッと前に出て話し出したのは悠一だ。
「就任の条件を3つ。1、メディアの露出は一切しない。2、ウェディング企画室のメンバー選出は雅輝に一任。3、結城財閥との縁談は絶対にしない。この3つだ。」
あやめの拳に力が入る。顔も険しくなり、目線は周りをさ迷う。そして、杏樹をとらえる。杏樹は怯えることもなく、ただあやめを見ているが、それがさらにあやめをイラつかせる。
その様子を見ながら、悠一はさらに続ける。
「以前、雅輝に対して、この会社や連条の名前に相応しいのは私だと仰ったと聞きましたが、あなたは連条の名前じゃない雅輝に興味はあるんですか?」
「私は、連条さんが欲しいんです。」
「あなたが一人の人間として雅輝を好きならここまで言わない。でも、あなたは連条家の息子が欲しいだけ。そうですよね?」
悠一に強く言われ、あやめは黙ってしまう。おそらく、悠一が言っていることが本当なんだろう。何か言おうと考えている姿が見えるが、次の言葉が出てこない。
「私が就任の時に、話したことは社員全員が知ってることです。もし、雑誌が出れば、嫌な思いをするのは結城さんではないですか?」
雅輝が口を開く。さっきほどの冷たい感じはないが、あやめには十分威圧的に聴こえ、ブルッと震え、唇を噛み締めているのが分かる。
「雑誌は差し押さえておきます。でも、今回だけです。いくら連条さんが私を好きじゃなくても、世間はそれを認めない。あなたはそれだけ注目を浴びる人になるんです。だから、あなたには私を選ぶしか道がない。……そのうち、嫌でも分かりますよ。」
雑誌と鞄を手に取り、挨拶も儘ならない様子で企画室を出ていった。
あやめが出ていった扉を見ながら、みんな、安堵のため息をつく。
「もう本当にやだ!悠ちゃん、塩、塩まかなきゃ!」
なずながプリプリしながら塩を撒く仕草をする。
「はぁ~女は恐いわ…。」
ゆずるがおどける仕草を見せ、それにみんながクスクスと笑う姿が見られた。
「早いですが、みなさん休憩にしましょう。七瀬さんも五嶋さんも良かったら。」
杏樹が笑顔でお茶を準備しようとすると、雅輝がふいに手首を掴んだ。"えっ?"杏樹がきょとんと振り替える。
「嫌な思いさせたよな。ごめん。」
「大丈夫!!私、雅輝さん、あっボスのことしか信用してませんから。」
二人が見つめあい、甘い雰囲気を漂わせると、みんなの視線を感じ、雅輝がは慌てて咳払いをし、杏樹はお茶を準備するため、小走りで部屋の隅にある給湯室に走り込んだのだ。