俺様御曹司による地味子の正しい口説き方
結局、お昼も会うことは無く仕事が終わりアパートに帰ってきた。
何もする気が起きず、ラグの上に寝転がる。恭一のマンションと違い1Kのこのアパートは就職と同時に始めた一人暮らしの時からお世話になっている。
部屋事態は1Kと狭くなっているが、自炊できるほどにそこそこ広くとってあるキッチンと浴室と洗い場が別にあったりと、とにかく水回りが充実していて、心休まる私のお城だ。
お気に入りのクッションカバーに顔を埋めて、鞄から携帯をだし画面を開いてみる。
開いた画面は恭一とのライン通話だ。
いつも入ってきている時間は早くて22時からだ。今はまだ20時過ぎ、まだ仕事中であろう。
昼に華と話していたせいか、少し恭一のことを考えてしまっていた。
駄目ね。
画面を開いても何て書いていいのか分からない。世の中の彼女という人たちはこういう時どうしているのかしら?
『杏の好きにしていいのよ』
華はそういったが、『好きに』がそもそも分からない。
彼とはいつも何を話していただろう?
考えれば考えるほど分からなくなり、そのまま携帯を机の上に置いた。
今までこんなに携帯を気にしたことも、文面を考えたこともなかった。
そう考えれば私も変わってきたのだろうか。