うっせえよ!
「フリーはやめて、雇用にすればいい。それも釣り好きの主人公で。」
「でも、それだとあまりに弱すぎませんか?」
ただ釣りが好きだと編集者との言い合いもないし、キャラがどんどん薄まってしまう。氷の溶けたカルピスのように。
「でも、好きとできるとでは違うだろ?」
好きとできるとでは違う?
……ああ、そうか!
「つまり、釣りは好きだけど、釣りは全然ダメダメ。例えば、魚に触れないとか、船酔いしやすいとか、そういうことですね!」
「ああ。そこから肉付けしていけば問題ないだろう。」
やっぱりすごい。誠司さんは仕事に関しては真面目で、敏腕で。これが藤原だったら目を輝かせて、「これで行きましょう!」となっていたところだ。
「ところで、キリン。」
「キリンって呼ばないでくださいって言ったじゃないですか。」
「ああ、そうだっけ……。」