うっせえよ!
「ふーむ。敏腕雑誌編集者と、フリーのフィッシングライターとの恋……かあ。」
「ええ。一応、モデルは私たちですけど、職業はあまりに露骨過ぎたので変えました。あの、どうでしょうか?」
「んー、まあ、敏腕雑誌編集者の方のキャラ設定はいいだろう。仕事はできるのに、私生活はダメダメで、靴紐もろくに結べない。おまけに女好きで仕事が終わればキャバクラ直行……。個人的には納得いかないところもあるが、客観的に見れば面白いと思う。」
「あくまで誠司さんを大袈裟に描いただけですから、気にしないでくださいね?」
もちろん、お世辞というか慰めというか。私は誠司さんをそのまま投影させたつもりでいる。
「ただ、そのせいで、ライターの方のキャラ設定がイマイチ弱い。釣り雑誌の連載を持っているのに、釣りが嫌いだなんて、じゃあ、この主人公はどうして釣り雑誌を連載することになったんだ?」
「それは……勘違いを作ろうかと思います。何かの手違いみたいな感じで、釣り雑誌を連載させられることになっちゃった! みたいな。」
「ほお、例えば?」
「そうですねえ。こんなのはどうですか? 小説家を目指していて、いろんな文学賞に応募するんですが、なかなかデビューできない。そんな時、フリーライターの求人誌を見つけるんです。修行の場としてそこを選んで、面接したら採用されてしまった。」
「フリーなのに採用されるのか? それって雇用ってことにならないか?」
た、確かに……。