うっせえよ!





ここまで露骨に女が好きだと、花の名社に入社した理由も、不純に思えてくる。



花の名社には、月刊カミツレ、パンジーといった小説に加え、ラノベ、漫画部署まであるが、そのほとんどは、恋愛モノ、少女向けモノだ。



少女漫画を書けるのは、女性。それも恋愛に対して経験豊富な女性というイメージがあるし、事実、私の知っている作家も、綺麗な人や男ウケの良さそうな人が多い。



きっと誠司さんはそれを知っていて、或いはそういうハーレム的な職場の雰囲気を想像して入社したんじゃないだろうか。



花の名社も誠司さんを顔で採用したんじゃないかと思う。事実、花の名社で勤めている編集者も、イケメンが多い。藤原もその一人だ。



ただ、残念なことに、藤原にしろ、他の男編集者にしろ、文化系で地味だった高校生が、大学ではっちゃけてデビューした人が多い。恋愛には奥手な人が多いのだ。



だから話もつまらない。藤原の「いちご100%は、毎回読み返すと、好みの女性が変わるんですよ!」という話もそれほど長く続かず、つまらない。




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