うっせえよ!
ベロンベロンに酔っぱらった藤原をタクシーに押し込み、家に帰った頃にはもう2時を回っていた。
相変わらず藤原は下戸だ。
終電前までは、明日、朝一で私よりも8年キャリアが先輩で、純文学作家のお宅に原稿を取りに行かなきゃならないらしく、「勘弁してください!」と懇願してきたくせに、無理矢理飲ませていたら、今度は「帰りたくありません!」と言う。
あそこまで振り切って酔われてしまうと、逆に冷めてしまう。きっと、明日は大遅刻で誠司さん辺りにこっ酷く叱られることだろう。
家に帰っても一人だ。去年までは少しでも寂しさを紛らわすためにトイプードルを飼ったのだが、散歩がめんどくさくて、結局手放した。今では藤原の実家でのんびりと暮らしていることだろう。
散歩がめんどくさいなら猫を飼うのもいいと人から勧められた。ただ、きちんと育てる覚悟もないのに、飼ってしまうのは引けた。これ以上、藤原の実家に動物を増やすことはできない。
それでも、売れなくなったペットを殺処分する現状がある中、犬や猫にとってどっちが幸せなことなのか。わからないし、わかりたくもない。わかってしまうと、きっと小説なんて二度と書けなくなる。