うっせえよ!





玄関の扉を思いっきり締めてやった。



「ちょ、おーい! 開けろー! 開けんかい!」



「うっせえよ! 帰れ! ゴミ屋敷に帰れ!」



まったく、なんて野郎だ。



こいつは私に逢いに来たんじゃない。ただ、キャバクラで酔って、帰る場所を間違えただけだったんじゃないか。



そんな奴に貴重な一ページも使って「逢いたい。」なんて想ってしまった私……ああ恥ずかしい! 死にたい。田んぼに頭から突っ込んで、泥だらけになりたい。



「おーい、頼む。開けてくれい。違うんだ! そうじゃない!」



「何が『そうじゃない』んですか! ホントマジで帰ってください! 警察呼びますよ?」



「口紅か? キャバクラに行ったのが原因か? でも、しょうがないんだよ。俺にはそうするしかなかったんだよ!」



「そうするしかなかった意味が分かりません! ホント迷惑ですから。」



「じゃ、じゃあ、説明するから。その場で、ドア越しでいいから聞いてくれ!」



私は玄関に膝を抱えて座り込んだ。



こうなったらとことん聞いてやろう。めんどくさい酔っぱらいの言い訳を。




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