うっせえよ!
「それにしても、あんたはまったく変わらないわね。」
唐揚げを頬張っている明美にそう言われ、「そうかな?」と思わず窓ガラスで自分の顔を確認してみる。
「変わらないわよ。あどけなさが残ってて、おませな女子大生って感じがする。」
「おませな女子大生って何よ?」
「大人になろうと頑張ってるけど、それが空回りしてるって感じかな。」
顔はともかく、気持ちの面で言えばそうかもしれない。私には社会人の経験がない。短大在学中に新人賞を獲ったあの日から、私の生き方は流行作家になるために奮闘するものへと変わっていた。
難しい言葉はたくさん覚えたけど、社会での上下関係から礼儀、理不尽なことへの妥協の仕方を知らない。大人と子供の境界線は、結局年齢じゃなくて、社会を知っているかどうかじゃないかと思う。
定期的に会っている友人を前にしても思う。まるで、私一人が世界から取り残されたような気持ちになる。社会を知ったかぶりで書いている作家ほど惨めなものはない。
「はあ……。」思わずため息が出た。