うっせえよ!





「で、具体的にどこを直せばいいんですか?」



すっかり諦めて、誠司さんの批評を聞き入れることにした。



「主人公の描写全体だな。『やばい……顔赤くなってないかな……。』なんてメルヘンチックな感情はいらん。お前の持ち味じゃない。そういうのは、王道作家に任せておけばいい。」



「でもこれは、最後に殺しをするという、どんでん返し。つまりは伏線なんですよ?」



「いらん。そんなどんでん返しは。お前の持ち味は、ドロドロと暗い、人生をなめ切ったような考えを持つ、サイコパスなモノローグだ。そこに読者は惹かれる。」



ということは、キャラクターの設定から見直さなければならないことになる。



って、冗談じゃない! 私がどれだけの時間と体力と睡眠不足と女子力を削ってまで、この作品に注いできたと思っているんだ。




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