うっせえよ!
「はあ? お前は馬鹿か?」誠司さんは人差し指を自分のこめかみに向けた。
「誰がお前みたいな難攻不落な断崖絶壁女と寝るか!」
難攻不落な断崖絶壁女ときたか……。
「それって、直訳、『いびつな顔した貧乳ブス』ってことですよね?」
「さすが作家だ。感受性が優れている。」
殺してしまおうかと思った。死体遺棄現場にしては適材適所の部屋だし。
「まあそこは安心していい。むしろ二日酔いにしてはぐっすり眠れたほうだ。」
いちいち一言多い。こういう男ってホント嫌い。
「で、お前は一体いつまで俺の部屋にいるつもりだ?」
誠司さんはもうすっかり着替えを済ませ、右手は歯ブラシ、左手は電気カミソリを持っている。
「出ていきますよ! ここにいると何だかじんましんが出てきそうですし。」
私はカバンを手に、退散することにした。
「それはそうと、早く原稿書けよ。」
「わかってます!」
勢いよく玄関のドアを閉めた。窓を開けていたせいか、思ったよりも大きな音が出た。