うっせえよ!





「それで、先生はどうするおつもりですか?」



「どうするって何よ。」



「チーフの言いなりになってサスペンス書くんですか? それとも原稿落とさせる勢いで反抗するんですか?」



その答えはもちろん前者だ。いくら大ベストセラーで億万長者だと言っても、お金はどんどん尽きていくし、紙媒体の需要が少なくなっている今、そうそう何度もベストセラーなんて出せるもんじゃない。



時代の流れはめまぐるしく変わっていく。こうしてビールを飲んでいる今も1000人を超える人たちがアルバイトをしながら新人賞に応募する原稿を書いているのだ。



大木りんという作家が一人、この世から消えても、困る人なんていない。だから、是が非でも仕事に噛り付いて、書き続けるしかない。



「あーあ、なんで『エゴイスト』なんて書いちゃったんだろうね。」



枝豆を手に取り、口から離して飛ばした豆はスッと口の中へ入る。




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