私のいとおしい残念な男達
「都合が悪くなると、またすぐに逃げるんだ波瑠は、いいの?小夏の事もいい加減で………」
「……………」
「小夏の事、ずっと好きだったんだろ?」
そう言って俺の腕を掴んできた和馬の手を思い切り振り解いた
「好きって誰が?そもそも俺はいい加減だろ?
小夏はちゃんとお前が見てればいいだろ」
「波瑠………俺だっていつまで小夏と付き合っていけるか分からないよ」
玄関で和馬と向き合った
「………どうゆう意味だよ」
「小夏とあまり上手くいってないのは分かってるだろ?」
「それは………お前が忙しいせいだろ?」
そう言った俺の目の前で和馬が首を振った
「俺はちゃんとメールもしてるし、会いにも行ってる。忙しいって会わないで避けてるのは小夏の方なんだ」
小夏が? なにいってんだ意味がわからねぇ………
「なんでだよ。小夏はあんなに泣いてたんだぜ?」
和馬の事で泣いていたのは間違いないはずだ
「そもそも、小夏は俺の前で泣いたことなんてないけどね」
まるで人ごとのように言う和馬に、俺は眉をひそめた
「…………」
「でも、俺なりに小夏は好きだから、今まで通りちゃんと付き合っていくよ。だから、波瑠も小夏といつでも仲良くしなよ」
振り向いた俺に、いつもと同じような笑顔でそう言う
俺なりにって………
「お前は本当に本気であいつが好きなのか?
おかしいだろ、そんな事。お前が付き合ってるのに」
「俺だって小夏はもちろん好きだよ。
でも、俺に好きな人は他にもいるから……」