私のいとおしい残念な男達

まさか本気なのか……?


「そうそう、ずっと二人で食事に行こうって誘われてたセレブ男子の水野君、彼ちょっと桐生君に似てるところがあるから、なんか小夏に良さげだったし、それに黒木君のこともずっとグチグチ悩んでるみたいだったから」


「はぁっ?俺の事ってなんだよっ」

何なんだ、こいつ急に俺に食ってかかってきやがって


「私、小夏には今日背中を押してもらったの。ちゃんと話し合いしなって、でもあの子の方こそいつまでも桐生君引きずってるし、黒木君には少し遠去けられてるみたいだから、この際彼に押し付けてきたの。ダメだった?」

一度通り過ぎた二人のところに再び戻って岬舞子を見下ろした

「ダメに決まってんだろっ」

思わず岬を睨みつけた俺から守るように宮崎が前をさえぎったが、岬を見下ろしたまま

「和馬の事はまだいいんだよ、あいつのことだし、もう少しグダグタ引きずってたって」

俺との関係だって、後悔してるならそれをリセット出来るまで待つつもりでいたんだから


「そう?じゃあなんで最近小夏はダメダメなの?やっぱり黒木君何かしたんじゃない?」

「…………」


だからって、他へ向けるのはないだろ
あれだけ和馬に執着してたんだ、そんな余裕ある訳ない


黙り込んで、思わず舌打ちをしながらその場を離れるために身体を翻した



「…………私、てっきり小夏は桐生君じゃなくて黒木君と付き合うと思ってたわ、3年前」


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