私のいとおしい残念な男達
背中越しに岬にそう言われ、足を止め横目に視線だけ向けた
「そんな昔のこと、今更言ったって仕方ねぇだろ」
何度だって思った、そんな事
タイミングが悪かったのか、まさか和馬が小夏を好きだったなんて俺だって思ってなかったんだから
『この際お互い元の友達に戻らないか?俺達』
和馬は小夏にそう言ったが、確かに始めのあの頃、俺も3人でいる事が楽しくて仕方なかった
だからって、あの頃に戻ってやり直すことは出来ないだろ
二人を置いて、とりあえず駅近くの岬と飲んでいたという居酒屋に向かった
が、どうやらいないみたいだな
「もう、帰ったのか……?」
一応、愁士にメールしたが、
愁士【今日は俺も飲み会】
愁士【でもって外泊予定。母さんに聞いたら姉
ちゃんまだ家には帰ってないみたいだよ】
「…………っ」
まさかまだ、あいつと一緒か……?
電話、してみるか
『ナンドモヨビダシテイマスガデンワニ……』
何度鳴らしても、無機質なアナウンス音に切り替わる
出ないって、どうゆう事だ?
時間は既に終電前だ
「くそっ!」
また俺は出遅れたのか?
距離を置いていたのはあいつが干渉するなと言ったからだ
これでも反省したんだ、しつこ過ぎてもダメだって
「…………プッ」
何度目かの掛け直しの後、やっと繋がった