私のいとおしい残念な男達
『じゃっ、』ぷっ……
「……えっ?!もしもし舞子、切れたの?!」
なぜ切る?!
繋がったままでいいじゃんっ!!
舞子の声がしなくなった途端、周りがとてつもなく鎮まり返った
「うう……」
怖くない 怖くない 怖くない
なんとか自分に言い聞かせて目を瞑りその場で動かずにいた
お、音楽とか鳴らせば………と思いつつ携帯を見れば
「充電があと30%しかない……っ」
日中社内でだって充電できたのに、すっかり忘れていた
とりあえず自分の携帯の明かりだけが頼りだ
「あれ………?誰かいる?」
携帯の明かりだけで、暗闇の中蹲ってジッとしていた部署の入り口辺りから、男性の声がした
「えっ………」
声を掛けられた方を向くと、部署の入り口から眩し過ぎる灯りがこちらに向けられ、そのせいで相手の顔が全く見えない
「何してんの?こんなところで……」
携帯のライト機能を向けられ、正直眩しくて仕方ない
向こうからはたぶん私がハッキリ見えているのか、床にヘタリ込んでいる隣に近づいてきた
「ま、眩しいんですけど……」
「あ、ああゴメンゴメン」
その携帯の明かりを避けて見えたその男性社員は、話した事はないが、同じフロアーで見かけたことのある、確か1課の人だ
「君、確か七瀬さんだよね。こんなとこで何してるの?」
向こうは私の事、知ってるみたいだ