私のいとおしい残念な男達


ふぃに、私の肩にまだ濡れたままの黒木の頭が乗り、ゆっくりと凭れ掛かる

ここへきて、初めての接触にますます心臓が騒ぐ

少し重くのしかかられて、首を傾けた

「黒木?」


「なぁもし和馬が、ずっとロスに行かずに日本にいたままだったら…………」


「えっ?」

私に埋もれて消えそうなくぐもった声


「そしたら和馬と別れた小夏はきっと俺までずっと避けてたよなぁ」

「………?」

黒木が何のことを言ってるのか分からない

私の肩に顔を凭れかからせ上げないまま、
そっと長い腕が腰から背中にまわり、身体に巻き付いてきた

なんとなく黒木に引き寄せられ背筋を伸ばした

………それって

和馬がこの1年間近くにいたままだったら、私たちはどうなっていただろうって事?

「え、黒木?」

なんで今さらそんな事を…………?


凭れていた頭がゆっくり下を向いたまま、少し私の肩から隙間をとった

「俺が、今さらお前を和馬に返せるわけねぇだろ…………」


「……………っ」


ゆっくりと顔をあげた黒木が、今度は背中いっぱいに腕を回して胸の中に私を抱き寄せた

キュッと力がこもる


「和馬は…………自分のやった事に失敗したって後悔はしねぇし、いつも前向きで羨ましいくらいポジティブで、俺にさえ泣き言を言わねぇけど、本当は………結構繊細で傷つきやすい奴なんだ」


「…………うん」


「いつも俺の先に行って、ずっと昔から助けられてばかりなのにな………」

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