私のいとおしい残念な男達

私の中の邪心を隠すためについ、心無い言葉が口をついた

「あぁっ?」


「こんなオシャレで夜景の見えるとこなんて、
ちょっと意外だけど………」

思い起こせば私との前はあのラブホだったし


今までどんな女の子をこんなとこへ連れてきたんだろう
………って、考えながら落ち込んでいる自分が情けない


サンドイッチを手に取りながら、さり気なく視線を逸らすと、
それを追ってくるように、下を向いた私の顔を覗き込んできた

しかも、近い……


「意外だけど、ラブホよりはマシ?」


「へっ?」

黒木の答えに思わず目を合わせて顔を引くと、フッと小さい息をついて周りを見る様に視線を上げた

「俺もここまで広いとこだとは思わなかった」

私の目の前にあるサンドイッチに手を伸ばし、ローストビーフを挟んで口に運ぶ


「うまっ……」

「ここ、黒木の『普段使い』じゃないの?」


またまたつい口をついた私に、溜め息をつきながら目を細める黒木



「阿部のすごいところは、こうゆうとこで何度もサプライズしてるって事だよな」


「………阿部君?」




学生の時からずっと付き合ってた彼女と、遠距離恋愛の日々の中、会うたびに数々のサプライズを演出しながら、最終的には晴れて結婚まで至った阿部君の見立てだと

女の喜ぶ雰囲気だろ?なんて少し自慢気に言う

確かにキャラ的にはありかも、世間一般での黒木の見た目のイメージ通りだし、だから阿部君もこんなプロデュースをしたんだろう



「さすが阿部君」

女の子のウットリする演出をしっかり理解している

なにより、阿部君にデートのアドバイスを受ける黒木って一体何者?


………でも私と黒木にとって、こんな雰囲気重視なシチュエーションは正直どうすればいいか困ってしまう


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