私のいとおしい残念な男達
「…………」
この場は、和馬をたてて自分が引くべきか………
クィッと問い掛けるようにスーツの腕を引っ張った
「和馬、悪いけど総務に用事があって、舞子を待ってなきゃいけないから、私はここで…………」
「そう?」
和馬から離れお嬢様に一礼すると、すぐに彼女が和馬の腕に絡み付く
「私、やっぱりお父様を待つことにします」
私に向けられた和馬の視線に嫉妬したのか、急にお嬢様が方向を変えた
「…………では、常務に連絡しておきましょう。常務室でお待ちになりますか?」
腕を絡ませたまま一瞬チラリと私を見る
「ええ、御一緒して頂けます?」
「もちろんです」と和馬がお嬢様を役員用のエレベーターへと案内して行く
会話の分からない周りの人間にしてみれば、この状況は噂通り彼女の若さと権力に負けた私が棄てられる、まさに秒読みの状況だろう
「……………」
「ただのお人形さんじゃないのね、あのお嬢様」
どこからともなく耳元で急に声を掛けられ、ビクリッと肩を上げる
「びっくりした。舞子かぁ」
「おはよう。朝から何バトってるのかと思って」
どこから見ていたんだこの人は…………
「……………」