私のいとおしい残念な男達


「はぁ…………」

なんであんな事いっちゃったんだろう


『七瀬さんっ、実は私………七瀬さんに一生のお願いがあるんですっ』

息巻くように彼女がそう言った

和馬になんて言ったらいいだろう…………

「はぁ………………」




溜め息をつきながら、総務課を覗き込む


………舞子、いないのかな?


輸入部の仕事で、ドイツ製掃除機の取説の翻訳を外注に頼むため、総務課に書類を出しにきたのだが、舞子の姿が見当たらない


入社して1年間だけ居た部署だが、彼女がいないのならあまり長居はしたくない

さっさと用事を済ませ、総務課を離れエレベーターに乗り込んだ


「待って」


乗り込んだエレベーターの扉が閉まる前に乗ってきた男性社員に、ギクリッと肩が上がる


エレベーターの中の奥の壁に凭れたまま顔を伏せた


「あれ、七瀬?」


「……………」

声を掛けられ、仕方なくその男に向かって一礼する


「久しぶり、総務課から?だったら声掛けてくれればよかってのに」


なんで声なんかかけなきゃいけないんだ………


出来るだけ彼に会わないように、極力注意してたのに

狭いエレベーターの中、息苦しささえ感じられる

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