私のいとおしい残念な男達
扉が開き何人かエレベーターに乗るために待っていた人たちが見えた
直ぐにその場から扉に向かい身体を翻すと、いきなり腕を掴まれた
「!!」
「七瀬、俺…………」
出入り口で乗り込む人たちとすれ違いながら足止めされてしまった
「なっ………」
「小夏?」
すれ違う社員集団の中から呼び掛けられた
聞き覚えのあるその声を直ぐに探した
「和馬っ」
まだエレベーターの外にいた和馬に身体を向けると江口さんに掴まれていた手が離れた
エレベーターから出て、和馬にもそこに留まってもらった
「お気遣いありがとうございます。でも、御心配は無用ですから」
江口さんにそう言って和馬の隣についた
「ごめん、和馬引き留めちゃったね。大丈夫?」
ホールで、行ってしまったエレベーター表示を見上げ、和馬の腕に添えていた手を退けた
「……………今の、小夏の元カレ?」
そう言った和馬に思いきり首を振った
「付き合ったつもりはない。ただの総務課の時の先輩だよ………」
そう言いながら顔を伏せた