私のいとおしい残念な男達
たまたま参加した飲み会にいた総合受付の
秋山玲子
始めから隣についてしきりに話し掛けてきた
妙に俺の過去の仕事について話をあわせてきたから、たぶん色々リサーチ済みなんだろうと、彼女の誘いにのった
いつものように、付き合ってほしいと言われ
『別に、まぁいいけど』と、軽い気持ちで返事をしたか………
「…………ほぼ一週間かぁ、やっぱりちょっと
早すぎたよなぁ」
「いつか刺されますよ、黒木さん………」
別に、いつもだったらそのままダラダラと付き合っていただろうが………
「……………なぁ阿部」
「はい?」
「お前、なんで結婚するんだ?」
こんな状況の俺に微妙に眉を歪ませ、どんな答えを出したら理解出来るか少し考え込んだ阿部
「ずっと一緒にいたいからじゃないですか」
「彼女以外と一生セックスできなくなるぞ?」
「そんなの当たり前じゃないですか!」
あ、やっぱ速答できるんだ…………
持っている缶コーヒーを一気に飲み干し、立ち上がってそれを捨てながら背中越しに聞いてみた
「………………じゃあ、女が浮気したくなる理由って分かるか?」