私のいとおしい残念な男達
あの日、突然仕事中に掛かってきたあいつからの電話
1回は気が付かず、切れた後着信を見て
また3人で飲むってことだろうと、仕事を終わらせることに集中した
「なんだよ、まだ仕事中だ」
いつもだったらメールに切り替えて、取りあえず場所を送ってくるのに、すぐ2回目の着信が鳴った
「………………っ」
「七瀬………?」
なにも応対なしで、すぐに電話が切れた
「?」
首を傾げ携帯をデスクに置くと、また同じ様に震えるバイブレータ
「何なんだよ、七瀬だろ?用件を言えっ」
少しイラつきながら電話に出ると、向こうの電話口から近くの居酒屋の賑やかな掛け声が聞こえてきた
「酔っ払いか?飲んでんだろ七瀬…………」
「どぉすりゃいいのよぉ…………ねぇ和馬ぁ」
和馬? 一緒にいるのか?
「七瀬?」
「うぅ……ぐずっ………もうダメかなぁ」
「………………」
「………………ごめんねぇ、理解できなくてぇ」
プツッ
切れやがった
話し掛けてたみたいだから俺と和馬と間違えたのか?
「あれ?黒木さん、どぉしたんですか?」