私のいとおしい残念な男達
急に掴んでいた腕から、ビンッと立ち止まって踏ん張りやがった
「なっ?!おいっ」
「やだっ、家に帰りたくないっ!」
「じゃぁどうすんだよ…………」
止まったまま動かない小夏の前で、呆れて手を離した
ああ、そうか
「和馬の家か?鍵持ってるだろ」
そうゆう事だろうと、方向を変えると今度は、逆に腕を掴んできた
「和馬んとこなんて行かないっ!嫌だ」
さっきより強い口調で引っ張ってきて、逆方向へ歩き始めた
「おいっ」
「黒木んちに行く」
はぁっ? バカかこいつは
「行かねぇぞ、てか泊められるか」
俺はこれでも家族と自宅だ
「じゃあ、どっか行くぅ~」
「………………」