俺様上司に、永遠の愛を誓え

「……教えろよ?」


目の奥を覗き込むようにして、

「……どうやって、あんな冷徹な仕事の鬼を、落としたのか……?」

問い詰められると、

答える代わりに、涙が流れた。


「泣くとか、カンベンしろよ…」

弱り切ったような顔で、

「道の真ん中で泣かれるとか、体裁が悪いだろうが…」

ビルの隙間に、腕を引っ張り込まれた。


「ちょっと遊んでやろうと思っただけで、泣くとかやめてくれよ…」

何も答えずに、地面にじっと目を落としていると、


「……。ああ……けど、なんかわかったかも……」

そう松岡部長が口にして、

「……あの部長が、あんたを好きな理由……」

俯いていた顔を、ふいに上向かされた。



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