俺様上司に、永遠の愛を誓え

ーーやがて、二度目の季節が変わる頃になって、

新藤部長が、本社に戻ってくることになった。


それとは入れ違いに支社へ帰る、松岡部長の送別会が、週末の就業時間後に開かれたーー。


飲み会の席で、少しお酒の入った松岡部長が近づいてきて、

「……あん時は、すまなかったな…」

と、謝ってきた。


「もう気にしてませんから……」

言うと、

「少しぐらいは、気にしてもらった方が……」

言いかけて、


「いや、もういいや……」

松岡部長は自分のグラスから、ゴクリとお酒を飲むと、

「他人の恋に口挟むより、自分の恋でも見つけた方がマシだし…な」

ひとり呟いて、


「…じゃあな! いい奥さんにでも、なれよ…!」

と、笑い顔を向けた。



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