哭く花

「ねっ、森本先生」

小野山さんは、話なんかまるで聞いていなかった先生に、話を振って反応を待つ。

先生はお茶を飲みながら、ん?と言うだけ。

私は先生と小野山さんの両方を眺め、

「お2人、知り合いですか?」

と問いかけた。

「僕、森本先生の、お隣さんだったの」

小野山さんは自分を指さすと、へへっと笑った。

「、そうだな」

先生は私を横にしてどんな反応をしていいか分からないようで、

曖昧な答えを小野山さんに返した。

「ったく昔から冷めてるよな〜」

小野山さんはあーあと声を漏らすと、

持ち込んだ様々な資料を広げ始めた。

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