哭く花
入ってきたお医者さんは、今手術を終えてきたばかりのようで、
額の汗を拭うと、ポケットから出した名札を首から下げて、
こちらへ向かってきた。
そして私たちの向かい側の席まで歩いてくると、
両者とも席を立って挨拶を交わした。
「こんにちは、志賀さんの今後について、少しお話をさせていただきます。小野山と言います」
小野山さんというその人は、名刺を私と先生に丁寧に渡すと、
どうぞ、と席に座るのを促した。
三人で席に着くと、
「実はね、」
と小野山さんが口を開いた。
そして言葉を発する前、私に少し微笑むと、
「美岬ちゃんの生まれてきた時、僕は君にあった事があるんだ。」
と言った。
へえ、と先生が隣で呟くのが聞こえた。
私は黙って、続きに発せられる言葉を待っていた。
小野山さんはまた口を開いた。
「2人と仲の良い間柄でね、生まれてすぐ、連絡をくれて、それで会いに行ったんだ」
だからどうしてもこの場にいたかった、と
私の方を向いて、微笑んでくれた。