少女マンガ的社内恋愛
私は最初、常務の一部分しか見ようとしなかった。


今の私は、常務にちょっとはいい所もあるのを知っている。


営業で最初は嫌な人だなと思っても、後からいい人に変わった事は多々ある。


ならこのデートは18年振りに再会した『現在の』高稲 幸作の事をよく見極める、いい機会なのかもしれない。


「じゃあ行くぞ澄鳴」


「ハイ」


“名前で呼ばないで”と怒る事もしないで、大人しく助手席に座っている時点で――――…


ガチガチに築き上げ、ついこの間まで忘れていたムカつきや悲しみの“岩”は、せめて“石”になろうとしていたのかも…ね。
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