少女マンガ的社内恋愛
あんなに他の女性と楽しそうに話す常務を見て、これからも同じ場所に帰るなんて私には出来ない。


どうせもうそろそろ自宅に帰らなきゃって思ってたんだ。ちょうど良かったのよ。


自宅に戻って社内で常務と関わるのもやめたら、常務は心からあの女性と……


「フッ……クッ……」


ポロリと一粒溢れた涙が、次々と滝の様に流れ出す。


常務関連の事で涙を流すのは、大人になってからは初めてだった。


「返事…する前で良かった」


早く常務を解放したい。私も早く苦しみから逃れたい。


ドス黒く染まった心は、私から冷静な判断力を奪っていた。
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