記憶の中の彼


店に入って隆君はアイスカフェラテ、わたしはブラックコーヒーを選んだ。

中身をこぼさぬように、トレーをゆっくりと慎重に2階まで運び、奥の二人席で向かい合った。

「咲良ちゃん、本当に歩と知り合ったのは最近なの?」

隆君の問いかけに心臓がドクンとはねた。

「あの、どうして?」

この人は何か知っているのだろうか。

「僕らは高校の頃寮のルームメイトだったんだ。ある日あいつの部屋に行ったとき、あわてて引き出しに何かを隠していたから、あいつが部屋から出たときにこっそり引き出しを開けて見ちゃったの。これもちろん歩には言わないでね。歩が隠したのは写真だった。それに映っていたのが、おそらく中学生の歩と、同い年くらいの咲良ちゃんにそっくりの女の子だった」

そんな、それがもし本当にわたしだとしたら・・・
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