記憶の中の彼
すると片瀬さんが立ち上がってテーブルから離れた。

「ねえ、どこ行くの?」

不安だから離れないでほしい。

「ブレーカー」

なるほど。ブレーカーが落ちたのか。

片瀬さんは部屋のドアの外に出たようだ。ブレーカーは玄関近くにあるのだろうか。

しかし部屋が真っ暗なまま片瀬さんはテーブルまで戻ってきた。

「電気ついてないよね?」

「停電かもしれない」

片瀬さんは自分の携帯を見つけたようでぱかっと開いた。

わたしはゆっくりとテーブルをまわって片瀬さんの側へ移動した。

「ちょっと携帯探すね」

片瀬さんがわたしの荷物の方を照らしてくれた。

「あった」

無事に携帯を見つけた。
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