まじめっ娘とイケメンくんの恋
「あれ?綾子これ何?」
ゴミ箱から謙太さんへの
プレゼントの小箱を袋ごと取り出した。
「あ・・・」
「もー!ちゃんと分別しなきゃ
えっ?・・・・・・
綺麗にラッピングされてるじゃん」
袋を開けたようだ。
「どうして捨ててるの?
もしかして もしかしてだけど
けんちゃんへのプレゼントじゃない?」
「あ~あ そーです」
「買ってないとか言ってたけど
買ってたの?」
「そうなんですけど
必要なかったから」
「どうして?」
「夕陽さんも香水だったし
あたしのは安物だし
それにたまには違うのもいいって
だからどーせ これは要らないでしょ」
「そんなのわかんないでしょ
プレゼントは何だって嬉しいものよ
捨てることないじゃない」
「あたしからのものなんて
喜ばないですよ
いいんですって
そのまま捨ててください」
「もー!じゃああたしが貰うわ」
「それメンズ用ですよ」
「元春にあげるわ
捨てるよりマシでしょ
もったいない!」
謙太さんへの香水は
彩子さん経由で元春さんのものに
なるらしい。
それはそれでいいけどね
どうせ捨てるものだから。
「ねぇ!ちょい聞くんだけど
彼との約束っていつ頃入ったの?」
「お店に向かってる途中」
「ふーんそう」
「それが何か?」
「来たときに用があるからすぐ抜けるね
って言わなかったから
いつ入ったのかな?
途中にラインでも来たのかな?
と思っただけ」
「来てすぐ帰ることを言うのも
感じ悪いと思って」
「あ・・・そう
それとさ 彼といつ会ってんの?
最近バイト以外の日はあまり出かけてないじゃん」
「あ・・・向こうが忙しくて」
「ホントに?ふーーーん」
今日の彩子さん やけにしつこい
いつものように
さらっと流してくれればいいのに。