まじめっ娘とイケメンくんの恋



不動産屋の手違いで
あたし山本綾子と目の前の山本彩子
同姓同名で同じ部屋を
借りることになったようだ。


担当だった赤木さんが病気で
長期休養を取ったようで
後を引き継いだ関根さんが
赤木さんの作成したデータのまま
賃貸契約を進めたとのこと。


契約書類のデータをタブレットで
出してもらうと借り主の住所は
あたしのじゃない
もう一人の彩子。


電話番号はこのあたしのもの
ごっちゃ混ぜにされている。


「知らない人との同居なんて
困ります」


「あたしだって嫌だわよ」


2時の約束
彩子には封書で契約書と共に送られてきて
時間を知った
彩子はその契約書に印鑑をついて
先程契約をすませたとか・・・。


あたしには携帯に以前掛かってて
今朝も再度確認で
「今日の2時に現地で」と
掛かってきていた。


「契約書交わしたのはこのあたしだから
あなたが他の場所を選んでよ
不動産屋さん!どうにかしてよ」


「どうしてあたしが
別に行かないといけないのよ」


言い合いになりそうになったところ
不動産屋の関根さんが
「ちょっと待ってください」 と
間に入った。









< 3 / 125 >

この作品をシェア

pagetop