まじめっ娘とイケメンくんの恋


「それなら・・・
山でいいです」


「優柔不断!」


「海は寒いって言うから」


「オレのせい?」


めんどくさっ・・・。


「なーんてぇ!海行こっか」


なら始めから寒いとか
言わないで欲しいよね。


「なら始めからグズグス言わないでよね!
なんて思ってんだろ?」


「えっ?」


「図星だろ?
あやっぺの思ってることは
なーんでもわかるよ?
こんなかっこいい人と海に行けるなんて
夢みたい!って思ってるよね?」


マジ?・・・
わかんの?
超能力者か?謙太さんって。


「そ・そんなこと思ってません!」


「あれ?じゃあ
反対か!何でこんな人と
海に行かないといけないわけ?
ごめんねぇ~オレが相手で」


「もぉーどーでもいいです」


「あはは」


やっぱり女の子を扱うの上手いなぁ
楽しくさせるの上手いよ。


夏になると海水浴で賑わうという
海岸に座り海を眺めた。


「ここに泳ぎに来たりするんですか?」


「学生の頃はねよく来たけど
今年はどうかな?」


そういえばあたし
謙太さんのことは
名字すら知らない。


だからまだ5月の下旬
人もまばらな静かな海岸で改めて自己紹介から。


「始めまして渡辺謙太です」
「あ・・・始めまして
山本綾子と申します・・・フフフ
なんだか変なの・・・」


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