まじめっ娘とイケメンくんの恋


「すみませんお邪魔します」
と ちゃっかり助手席に座るあたし。


「どこ行きたい?」


「いきなり聞かれてもわかりません
男の人とドライブなんて
始めてのことだから」


「それもはじめて?」


「いけませんか?」


「悪いねぇ~始めての相手がオレなんてね」


笑いながら言ってるけど
こんなイケメンさんとのデートなんて
こっちこそ申し訳ない。


そんなことは
口に出しては言わないけどね。


「うーん 初めてなら
思い出に残るようなところに
行かないとダメだね
どこにしようか?」


「だから!
聞かないでくださいって!」


「希望とかあるだろ・・・
例えば海が見たいとか
山が見たいとか
水族館とか遊園地とか動物園とか」
少し不機嫌になった。


あっ・・・
可愛くない言い方をしてしまった。


~うーんそうだね
どこがいいだろ~とか
言えば可愛げがあっただろうに。


全然なれなくて
ツンケンした言い方になってしまう。


「面白くない女でごめんなさい」


「本当!面白くねーわ」


帰りたい
そう思ったけど
そんなところからも自分を変えないと
と思って勇気を出した。


「う・・・海・・・」


「海が何?」


まだ不機嫌なまま
仕方ないか
あたしのせいだから。


「海が見たいです」


「海?寒いから嫌だ」



はぁ???
全然寒くないですけど・・・。


人が勇気を出して言ったのに
それはないよぉ~。


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